亀。
街中に用事があって、帰途デパートに寄ってみた。
よくある「東北展」が開催されていた。
日曜日、最終日だった。
もう、半分片付けを始めていたコーナーの前を通ったら鋳物の亀が目に入った。
ちょっと触らせてもらったら、
「あら?甲羅が蓋になっている?」
と、気づき、中には朱肉と印鑑らしき物が入っていた。
朱肉に惹かれたわけではないが、鋳物でこんな物ができるんだと興味を惹かれた。
「興味はあるけど、印鑑セットとして使う?」
「既に家にはあるものだし、先ず、どこに置ける?」
と、自問自答しながらも、離れられないので、お店の方といろいろとお喋りしながら
「でも、面白い亀さんだな~。またいつか出会えるかな~。」
なんて考えていた。
「どうしても必要では無い物に大枚(と、言っても千円単位)払う?」
と、自分に対する価値観まで考えていた。
私が手に取っていると、脇から若いカップルが現れて、
「そう、これ可愛いですよね?」
と、一旦離れて戻ってきた様子で話しかけてきた。
既に私が手に持っていたので買うのを諦めた様子で去っていったが、
この亀に価値を見出していた人が私の他にもいたことに驚いた。
「家の、どこに置いてもいいんじゃない?玄関先でも、TVの前でも、何気なく
この亀がいたら楽しいかもしれないと思い購入を決めた。
産地は山形県、鋳物産業が盛んだということで他には花瓶などが展示されていた。
そういえば、我が家にも似たような一輪挿しがあったような記憶がある。
あれも鋳物製品だったのかもしれない、と鉄瓶みたいなものばかりをイメージしてた
ので、多種多様なんだと気づかされた。
目の前にあるのは鋳物で作られた亀のオブジェ、次に会えるという機会はないだろう、
これを衝動買いと言うのかもしれないが、二度と会えないかもしれないという理由
で買ったものはいろいろあるが、手元に置いて、
「買わなきゃよかったと思ったものは過去なかったからこれは出会いなんだよ。」
と言う理由で我が家にやってきることになった。
時々、置き場所を変えて楽しんでみようと思っている。
もしも、買わないで帰宅してしまった方が後悔してしまっただろうなと言う気持ちが正解でした。