「なのだソング」 井上ひさし
なのだソング:井上ひさし
テーマ: 歌詞2008-02-12 00:00.34
雄々しくネコは生きるのだ
尾をふるのはもうやめなのだ
失敗おそれてならぬのだ
尻尾を振ってはならぬのだ
女々しくあってはならぬのだ
お目々を高く上げるのだ
凛とネコは暮すのだ
リンと鳴る鈴は外すのだ
獅子を手本に進むのだ
シッシと追われちゃならぬのだ
お恵みなんぞは受けぬのだ
腕組みをしてそっぽ向くのだ
サンマのひらきがなんなのだ
サンマばかりがマンマじゃないのだ
のだのだのだともそうなのだ
それは断然そうなのだ
雄々しくネコは生きるのだ
ひとりでネコは生きるのだ
激しくネコは生きるのだ
堂々ネコは生きるのだ
きりりとネコは生きるのだ
なんとかかんとか生きるのだ
どうやらこうやら生きるのだ
しょうこりもなく生きるのだ
出たとこ勝負で生きるのだ
ちゃっかりぬけぬけ生きるのだ
破れかぶれで生きるのだ
いけしゃあしゃあと生きるのだ
めったやたらに生きるのだ
決して死んではならぬのだ
のだのだのだともそうなのだ
それは断然そうなのだ
井上ひさし(Wikipedia)
男声合唱版「11ぴきのネコ」
2020/10/23 NHK「あさイチ」プレミアムトークに出演されていた
猫の生き方が、ぜ~~~んぶ詰まった詩。
嬉しいような、胸にキュ~ンとくるような、
「そうだよね、猫って自分の”今”を何の文句も言わずにそのままんま生きてるんだよね。」
と、そんな彼等を思い浮かべて朗読を聴いていました。
家猫も、外猫も、中間猫も、人間と関わって、その中で、その生き方から
人間が影響されてるのに気づく。
身体も、気持ちもしなやかなのが猫なんだ、と。