暫くの間、
「お散歩行かない~。」
と示していた猫が、自分の方から玄関で待つ姿勢をとっていた。
いつもの時間とは1時間以上も遅くなってからの行動だった。
私の方は、「今日のワンコ」を見たいな~と思っていた時だった。
いや、ワンコは見逃しても仕方ない、
「行きたい?解った。すぐ支度するからね、待ってね!」
と、猫のその行動が嬉しくてソワソワと急いで支度した。
最近、寝てばかりで、体力が落ちたか、どこかの具合が悪いのか
内心心配しながらも様子を見ようと思って猫のしたいようにさせていようと覚悟していた。
けれど、自分から
「お散歩行きたい!」
っていう行動がみれた。
親バカというか飼い主バカというかそんな私だけれど、いいのだ、
猫の気持ちがわかることが大事なんです。
この意思疎通が一緒に暮らした醍醐味なんだって、最近この猫に感謝している。
動物と、お互いに認識し合い意思疎通ができたという貴重な体験を与えてくれた、この世で巡り合えた一匹の猫に、いつもいつも感謝している。
「この人がいい。」
と、意思表示されて、就寝時には
私がベッドに入ると、
「おっ、おかあさんが寝る!僕も一緒に寝よ!」
と、でも言ってるようにベッドに上がってくる。
そしてピッタリと私に寄り添って喉をゴロゴロ鳴らしているのだ。
こんなに信頼されてるのが表現できないくらい嬉しくて、そっと彼の背中をトントンする。
過去には犬を3匹飼った。
それはそれで心通い、亡くなる度にもう動物は飼わないと落ち込んだ。
自分の花粉症のこともあって猫を飼うことは無理だろうと思っていた。
しかし、出会ってしまった。
息子が保護した猫がいろんな経緯を経て、結局我が家に落ち着いた。
出会った時、息子が連れて来たその日から私のベッドに入ってきて、
息子と一緒に帰りたくない、ここに居たいと半隠れしていた。
その時から、
「この猫とは離れられないだろうな~。」
と、感じていた。
息子の方の事情を静観しながらも、我が家にきてくれることを心の底では願っていた。
そして、晴れて我が家の子になってから19年ともうじき2か月になる。
定期的に獣医さんの検診を受ける時、必ず言われる。
「19歳って凄いですよね~。飼い主さんも凄いですよ。」と。
「来年の市の獣医士会で開催する動物慰霊祭の時、19歳以上の猫の表彰があるので
招待されると思いますよ。」
とも言われた。
何だか、この19年が、日々暮らしてきたことが本当に貴重な事に思われるようになった。
彼が生き、私が見守った、それだけのことなのに、あっという間だったのに、
いろんなことを教えて貰った思いが巡っている。
お散歩も、19年間続けた。
途中、外猫さんと鉢合わせして喧嘩の寸前までいったこともある。
ちょっと目を離した隙に、大きな猫とバトルが始まってしまい、二匹を
離す為に水をかけるしかなかったこともあり、結局我が家の猫は目の下を
何針か縫う怪我を負った。
網戸越しに外猫とバトルして、網戸は2度程張り替えた。
若い時は結構強気な猫だったな~。
いろいろあったけれど、どれもこれも今では懐かしい。
これからは体調を維持していくことが大切になっていくと思っている。
お散歩は彼の行きたい時が「お散歩タイム」、それでいいと思っている。
時々家の周りのチェックしたいんだよね。
お供します!