上がり框。
突然の建築用語です。
「あがりかまち」です。
最近、TV番組も再放送が多いようで、何となく観てしまうなんてことがある。
たまたま日曜日だったと思います。
「さんま御殿」に”高学歴の賢い人=A”と”賢くない?人=B”と別れていろんなエピソードを披露していたのです。
その対比に興味があって見入ってしまったのです。
そんな中で、NY州の弁護士という山口真由さんが放った、
「上がり框に置いといて・・・。」
という言葉にBグループの反応が「?????」だったのです。
Aグループは「うん、うん」と理解。
で、さんまさんが、
「どこの家にもあんやろ?玄関とこや。」
と説明した。
それでもBグループは
「聞いたことない~!どこ?」状態。
その後も、脳学者の中野信子さんが
「・・・・枚挙に暇がない。・・・・」
を使って表現したら、Bグループさんが
「まいきょ?に何?」
状態。
真剣だったので、中野さんが説明。
するとまた、Bグループさんが、
「聞いたことな~い。」
Aグループさんも、Bグループさんも、お互いの状態にびっくり。
学歴云々と言う訳ではないが、文字や語彙に触れる量なんだろうなと思った。
本を読んだり、小説に触れたりすれば自ずと初めての言葉にぶつかることがある。
「枚挙に暇がない」も同様ではないかと。
そこで「上がり框」や「三和土=たたき」は私も読めなかったが向田邦子さんの小説などを呼んでいると、普通に出てくる言葉なので、そこで昭和のちょっと暗い玄関をイメージしたり、静謐な空間が思い出されたりして、その小説のイメージができあがったりする。
そういう言葉の持つイメージは一挙に絵画的にそのものを説明できるし、その言葉が日常的に生きている家庭に育ったということで、そのご家庭までもイメージできてしまう。
だから、それが日常だったということと、全く知らないということの間には想像力の大きな差ができてしまう。
これは学歴でも、貧富の差でもなく極々普通の環境の差なんだろう。
それにしても、こういう日本家屋の各名称が使われなくなっていくのは勿体ない気がする。
新しい様式の日本家屋が建築される時も、
「ここが、上がり框で、こういうデザインね。そしてここが三和土ね。」
なんて家族で話し合ったりしたら残っていくのかな?
それとも、
「エントランス」
で括られてしまうのか・・・・。
今となっては「上がり框」の方が格好いいような気がしてくるけど、いかがでしょうか。
上がり框の意味。
「あがりかまち」とも〕
「三和土」の意味。
「たたき」はもともと土と石灰とを混ぜ合わせた「三和土」でした。けれども現在はコンクリートやモルタル、タイルなどで造られた玄関土間のこともすべて「たたき」と呼んでいます。つまり、素材に関係なく現在では「玄関土間=たたき」と考えられています。