今年のお正月に初めて気づいたことがある。
どこのお宅も玄関にしめ縄を飾るのが当たり前だと思っていたが、違うらしいということ。
独身暮らしの方は、実家ではやっているから、という感覚の方もいるかもしれない。
しかし、夫婦単位の暮らしの家でも飾ってない場合がある、というか増えているということだ。
私達夫婦の実家は共々、年末年始の行事の一つとして当たり前にやってきたので、
飾らないと、お正月が来るという新たな気分にならないのですが、そうでもないお宅
があるのだと、気づいた。
伝統行事だし、地域のスーパーでも、必ず季節を先取りして売り出しているものだ。
ただ、全国的にそれぞれの地方で形に違いはあるのだろうとは思う。
それで思い出したのが、伊勢神宮に行った時に見た光景だった。
お正月とは関係のない季節に縦長の形とは違った、キュッと締まった丈の短いしめ縄が玄関に
飾られていたことだ。
「形も違うし・・・、お正月の七草まで飾って、どんど焼きなどで焼いてしまうという新しさはない
しめ縄だけど、ずっと飾られているのかなア」
と珍しく思ったことだ。
それにしても、どこのお宅にも飾られていて、地域的なものなのか、とそのままになっていた。
そして、調べてみたら、その意味が(今頃)分かった。
「蘇民将来子孫家之門」
と、私も名乗りたいし、厄除けけならば、通年しめ縄をかざる、という感覚は理解できる。
だから、「謹賀新年」という精神は厄除けでもあるのだろう。
そうなると、やっぱりお飾りを飾る意味はあるのだ。
我が家は玄関の他にも、主要な生活の場所にうらじろでしめ縄を作った小振りのもを
飾る。
台所、お風呂、トイレ、洗面所など、に飾っている。
その場所を掃除して、清めて、それを飾って初めて、新年の準備ができたと言う気分になれる。
我が家は12月30日までに飾って(一夜飾りは忌み嫌われている)、正月の七草まで。
そして、どんど焼きのある地域はそこで焼くけれど、今は氏神様がまとめて引き取る日があって
そこで氏子達が処分する。
伝統のしきたりは時代と共に、変化していくけれど、形に込めた精神性を大事にして、
日本の伝統は守られていって欲しいなと思う。
クリスマスやハロウィーンは商業ベースでのバックアップもあってお祭り騒ぎになっていたりする
けれど、この日本古来の伝統はそれぞれの地方で大切にされ、精神性が受け継がれていくことを
普通の日本人として願っています。