「めっちゃ家ン中、綺麗っすね~!」
「めっちゃ家ン中綺麗じゃないっすか~!」
と、何度も叫んでいた彼は、車の修理のことで代車を運んできてくれた男性。
息子とも知り合いで、車のことで何かというとお世話になっていて、親しくしてもらっている関係だ。
今回も、夫の車の不調を点検、修理する目的で預けてある。
運悪く、お盆時期が重なって代車もやっと貸してもらえる算段がついて、わざわざ運んできてくれた。
やっぱり車がないと、自由が効かないようで、夫は自宅で手持ち無沙汰な様子だった。
(早速何処かへ出掛けて行った。)
で、一昨日に話が遡るが、二階のトイレの電球が切れた。
夫婦二人で椅子に乘ったりして取り換えにかかったが天井に付いているカバーまで手が届かない。
その晩は暗いのは危険だからと(廊下の灯りで何とかならないでもないが)アウトドアー用品の防災用に用意してあるランタンを置いておくことにした。
最悪、どうにもならなかったら、ハウスメーカーのカスタマーセンターでいつもお世話になっている方に、有料でもお願いするつもりでいた。
電球の取り換えごとき?で”人様のお世話にはならない”って意気込んでいた自分が手の届かない場所ができたことが少々悔しくはあったけど、そういうところで意固地にもならないで、どう解決するかを考えるスタンスで良し!と思うことにした。
実際、こんなことが目の前にあるが、家を建てる時、家中の照明器具と、その場所を決める時点で、
”電球交換が自分でできる高さ”を考えて天井よりも壁を意識して取り付けをお願いした。
でも、こんなことも起こったのが現実。
そんな時、彼から代車を運ぶと電話が入った。
私は、
「彼が来る?!電球交換頼んでみよう!」
と、閃いてしまった。
で、本日午前中に予定通り運んできてくれた。
私は、
「○○君、ちょっと頼みたいことがあるんだけど、時間大丈夫?」
彼、
「あ~、大丈夫ですよ!何ですか?」
と、いうことで二階のトイレまで案内して、若さと身長がチャチャッと交換してくれたのだ。
で、玄関から居間、階段、二階へと進むにつれ彼は叫んでいたのだ。
「めっちゃ家ン中、綺麗っすね~!」
用事があって来てくれても駐車場で事は済んでしまい、家に入ったのは初めてとなる。
私は、外した電球に合うワット数の電球をストックの中から選んで運んで行く間も、
「めっちゃ家ン中、綺麗っすね~!」
と繰り返していた。
嬉しかった!
毎日汗だくになっても掃除は手抜きをしていない状態が認めて貰えてるって、嬉しかった。
家族でもそんなことは言ってくれたことは無い。
そう言えば、子供がまだ小学生の頃、よその家のことを無意識に言ってたことはある。
「▽▽君の家に行ったんだけど、家は綺麗にしてるよね・・・。」
と。
そして、彼の感性にも感動した。
自分の仕事には熱中する世代の男性が、他人の家がどうだってあまり関心がないのが普通なのだ。
なのに、家内の整えに一瞬にして気づく感性があったことだ。
既婚者であることが、家庭という部分にも関心があったのかもしれないが、それにしても
その感想をストレートに表現する性格でもあったのかもしれない。
ほんの数分で、電球の取り換えは終了した。
彼はまた、
「めっちゃ家ン中、綺麗っすね~!」
と繰り返していた。
私も、
「ありがとう~!」
と返していた。
私は、
「助かりました、本当にありがとう!」
と、一緒に来てくれた方と二人にストックのアイスクリームを渡した。
彼は、
「え~!いいっすか!ありがとう!」
と、満面の笑みを返してくれた。
何だか、清々し~~い朝になった。
こういうことがお掃除の醍醐味なのかもしれない。
気持ちを清々しくすること、それが大好きなのだ。
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