「こんなお目眼だね~。」
我が家の飼い猫、満16歳6カ月です。男の子。元気です。
我が家の中でも特に、彼のお気に入りの場所で私と向き合っている時の表情です。
私がソファーに座って、彼が背もたれ部分に乗っかって身体をさすってもらいたい時の形です。
一番安心するのか、手を休めたり、違う方向を向くと
「ねえ、ねえ、こっち向いてさすって!」
と、私の肩をトントンと叩きます。
「ちょっと待ってて」
なんて言ってると、
「早く、こっち向いて~!」
と、洋服の上から爪で引っ張ります。
「分かった、分かった」
と背中全体を子供を寝かせる時のように優しく叩いているとゴロゴロと喉を鳴らしています。
そして、私の方を向きトロ~ンとした表情をしています。
私も、猫と同じような表情を、と
「こんなお目眼?」
と目をすぼめて見つめ合うと、同じ様に彼も目をすぼめて安心しています。
散歩中に外猫さんと出会ったり、家を覗く猫に威嚇したりする時の真丸くて、真っ黒に
なった目の時があるなんて思えないくらい穏やかな目です。
猫の気持ちそのものが目や表情に表れる。
人間と同じです。
感情も豊です。
動物と暮らすって、そういう感情のコミュニケーションです。
そうしてお互いを知ろうとして、理解し合うんですよね。
私は大人になって初めてこんなに長く猫と一緒にいます。
子供の頃も飼っていたようですが、遊んでいただけだったと思います。
猫がどのように思っているかなんて考えてもいなかったと思う。
だから、どんな餌を食べていたか、お腹がすいていたかなんて知らなかったと思う。
自分のことも分からない年齢だったんです。
最近の動物虐待の事件を思うと、
「飼う」とか「保護する」とかって、いろんな経験をしてやっと心身共に成長した人間になって
初めてできることなんじゃないかって思うのです。
自分も辛いことや悲しいことや、嬉しいこと楽しいことを経験して初めて相手にもそんな気持ち
があるんだろうなって想像できるようになる。
だから、平気で虐待する人はいろんな経験をしてないのだろうと思ってしまう。
自分の気持ちだけが優先で、その時の相手はどう思うか、どんな痛みを感じるだろうかって
想像できない、分からないのだろう。
年齢や身体だけ大人に見えても、自分と相手の関わり方がわからないでいる人なんだろう。
動物が穏やかな表情を見せてくれることを知っていれば、成るべくそんな環境を作ってあげたい
と思い、健康で、清潔な場所で過ごさせてあげたいと思うようになる。
それには何が必要か、と整えることが「飼う」「保護する」という行動になる。
どうか、この世に生まれてきた動物がみんな穏やかに暮らせるようになって欲しいものです。
追伸:
トイプードルちゃんともう一匹の犬も共に保護されたようです。
飼い主さんも所有権放棄して、犬は飼わないと約束してくれたようです。
保護に関わって下さった方々に感謝です。