手を貸してもらって…。
ジ厶でトレーニングマシンの調整に手間取っていた時のこと。
会員さんの性別、身長、体重、骨格、体型などは様々だ。
そんな環境の中でのトレーニングでは使用する人が自分にあった負荷を決めて、マシンを調整して始める。
その中で下肢を鍛えるマシンを使おうとすると、誰でも始められる「ニュートラル」の位置に
戻してなかったりすることがある。
身長の高い人なら動かせる位置にしたままなのだ。
自分で「ニュートラル」な位置にしようと試みるが、うんともすんとも身長が足りないせいで
動かない。
私は女性として小さなほうでも大きなほうでもなく、平均的な身長なのにだ。
そんなことが過去にもあって、近くにいた男性にお手伝いしてもらったことがある。
今回もスタート時点で調整できないでいた。
女性だからといって、それぞれ各人のトレーニングに励んでいる男性に声を掛けてばかり
では申し訳ない。
自分の力で何とかしようとしていたところ、だいたい同じ時間帯でトレーニングする男性が、
「直そうか?」
という合図をしてくれた。
以前にも直してもらったので、
「お願いできますか?すみません。」
と、素直に頼んだ。
ササッと調整してくれて、
「元の位置に戻すように注意書きしてあるのにね!?」
と、笑顔を残して戻って行った。
その時の、合図、目と目が合っただけで、私のしたいことを理解してくれた。
多分、私が爪先を使ったり、一旦降りて全身で動かそうとしていたのを見ていたのかもしれない。
「ああ~、動かない。」
と、使用を止めようとがっかりした様子だったと思う。
ジムの中でも時々お話などする位の関係だったから、声掛けもスムーズにいくのだと思うが、
今時の「○○ハラスメント」に厳しい世の中では、男性から言わせれば、やたらと簡単に女性に声を掛けられないと言う。
だから、日頃の挨拶や会話でお互いを知っておくということは大事だなと思う。
こちらから声を掛けるでなく、彼が私の様子から助けが必要だと理解してくれたことが凄く嬉しかったのだ。
私は、先ず挨拶と思っているので、初対面の会員の方でも、目の前にいればはっきりと
「こんにちは!」
と、声を掛ける。
男性は、シャイな人が多い。
でも、「こんにちは!」と返してくれる。
最近は、後ろ側から、
「こんにちは!」
と、声を掛けられて、驚いて
「あ、こんにちは!」と返すこともある。
向こうから挨拶してくれるのだ。
ジャングルのように沢山設置されているマシンの中からニュ~ッと現れて、目があったと同時に笑顔とお辞儀で挨拶を送ってくれる人もいる。
「あ、○○さんだ。こんにちは!」
と意思表示してくれたことが伝わる。
黙々とトレーニングする性質の男性が多い中、今のジムではお互いに必ず挨拶し合うようになっている。
女性会員は少数だし、時間帯によっては独りだけということは多い。
だからこそ、女性特有の依頼心のような態度や、トレーニング中の時間を邪魔するような行為や、時々いるお喋りばかりして一生懸命集中している人の意識の邪魔になるような過ごし方はしたくないと思っている。
使用マシンや負荷は違っても、お互いに「鍛えるための時間」ということを尊重していたいと
思っている。
民間の経営するジムと違って、ある会社の福利厚生施設として立ち上げられたジムに、
たまたま縁あって入会を許されているのだ。
とても、環境がよくて安心して楽しく使わせて頂いている。