母の形見の指輪が壊れた。
普段用に使い勝手がよいので気に入っていた母の形見の指輪が指に
違和感を与えていた。
何か指の内側に引っ掛かる感じがしていた。
「何だろう?」
と、気にはしていたが、2~3日後には繋目と見られる箇所が外れてしまった。
当然、指に食い込むような状態になってしまって、慌てて外した。
といっても、初めての経験で、そのまま外せる状態ではない。
仕方なく、石鹸を指の周りに塗り込んで滑らせるようにして外すことができた。
”母の形見の指輪”なので、一瞬”壊れた意味”を考えてしまった。
何か私に伝えたいことがあって、”関連性のある物”で表してくれたのか?
などと思ったのだ。
「何か意味がある?」と。
一旦立ち止まった私は深読みし過ぎなのかもしれないし、必要なことだったかもしれない。
いずれにしても、日々の暮らしの中で慎重になることが求められるのならば
気を引き締めて暮らしを見直してみようとも思った。
形のある物が壊れるのは当然あることだ。
その壊れた物に対してどう対応していくかが問われているのだろう。
友人に宝石関係の仕事をしている人がいるのでその方に修理できるのか訊いてみた。
店舗の他に修理やサイズ直しなどをする工房を持った会社なので、そちらに持ち込む
ことは可能と分かり、早速復活させて頂くようにお願いをした。
少し時間は掛かりそうだと言うことと、”金”の価格が高騰しているので
部分的に”金”を使うことになれば価格的にも心配でもある。
しかし、やっぱり直したい。
壊れた、接続部分が外れた、もう使えない、でそのまま放置したくないのです。
高価なものでは無いかもしれないが、デザイン的にも好みのものだし、
いつも付けているのに友人は時々、
「あら?素敵な指輪ね、見せて!」(何度も見てる筈なんだけど。)
と、声を掛けてくれる。
そんな、母の趣味の中でも一番好きだった指輪。
またリニューアルして戻って来てくれる日を待つことにした。