”もう一度会いたかった…。版画家の恩師。”と「つわぶき」。
我が家の庭の片隅にひっそりと葉っぱだけを広げている”つわぶき”。
そのつわぶきが黄色い花を咲かせ始めている。
実際に、目立つ場所でもなく、通りから見える場所でもない。
僅かに土のある場所の一角なのだ。
「あっ、咲き始めたんだね。」
と、気付いて写真に収めた。
”つわぶき”は私の木版画の先生がよくモチーフにしていた花だ。
”つわぶき”とか、”ドクダミ”とか、花のことなど気にもされない、そこここに広がって生息するどちらかと言えば、期待されるどころか、どんどん広がって迷惑する位の植物だ。
そんな植物の花を好んで、優しく表現されていた先生だった。
先生の作品を拝見して初めて”つわぶき”や”ドクダミ”の花がこんなに可愛いかったのだと知った程、目を向けることもなかった。
実家に咲いていた内の一株を植えようと思ったのも先生の作品を知ったからだった。
それからは、時々手入れもしている。
友人の家が新築した時にも、その内の一株をさしあげたら、今では大きく増えて玄関周りを
彩ってくれていると喜ばれた。
先生の”優しい目”は田舎の道路沿いや山道の脇にひっそりと、しかし力強く咲く植物に関心を持つことを教えてくれた。
これからしばらく”つわぶき”の花が癒してくれそうなのでゆっくりと楽しませてもらえる
だろうと、先生のように優しく見つめていたいと思っている。
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