オンライン高座。
新聞のコラム欄より。
以下引用。
「間もなく地球滅亡の日がやって参ります」。
コロナ禍の今聞くとドキッとするが、昭和から平成にかけて活躍した上方落語の爆笑王、2代目桂枝雀師匠が得意としたマクラの一つ。親交があった作家小松左京さんの「日本沈没」がベストセラーの頃から披露していた。
▼別の惑星で生き延びることを決意した人類。
時の権力者は新天地で役立つかを基準に、脱出ロケットに搭乗させる人間を選別する。
一人一人の職業を聞いて、「農家か。よし」「大工。よし」「落語家…」
▼「あってもなかってもええような仕事」。
枝雀師匠の自虐ギャグでは地球に取り残される落語家に、慰められ、勇気づけられている。当代一、二を争う人気者、春風亭一之輔師匠の粋な計らいに魅了され、落語視聴が巣ごもり生活の習慣になった。
▼コロナの影響で休演となった都内の寄席で、トリに予定されていた4月下旬。
毎晩、高座に上がるはずだった午後8時10分から動画投稿サイトでみっちり1時間弱、無料で一席披露してくれた。何ともぜいたくな10日間だった。
▼連夜視聴者1万人を超えた試みに触発されたわけではなかろうが、大型連休にかけて別の人気落語家や人間国宝の重鎮もオンライン高座に挑んでいた。
愛好者を満足させただけでなく、ファンの裾野を広げる一助にもなったはずだ。
▼目に見えないウイルスとのやっかいな戦いを強いられる毎日に笑いという心のビタミンが欠かせない。笑いには免疫力を高める効果もあるという。通勤の車中で古今東西の名人の一席に耳を傾ける日が続いている。
以上引用
”地球に取り残される落語家に、慰められ、勇気づけられている。”
ここの所に、自虐ネタとは言え、ドキッとする。
誰もが、
「私の仕事、職業は取り残されるだろうか?主婦は職業?」
と、一瞬考えてしまうのではないか。
”落語視聴が巣ごもり生活の習慣になった”
について、私は気付きもしなかった。
”高座に上がるはずだった午後8時10分から動画投稿サイトでみっちり1時間弱、無料で一席披露してくれた。何ともぜいたくな10日間だった。”
元々、落語ファンだというわけではないが、そんな動画投稿サイトがあったのに、知らなかったことは残念なことだった。
こういう事態下ではイレギュラーなことが一杯ある筈なので、いつも同じようなサイトばかり
に拘らず、広くアンテナを張るべきだったと悔しい思いでいます。
笑いました~!面白かった~!
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