それって当たり前?

日々感じたことを徒然に。

かかりつけ医院で…。

定期的にお薬を出して貰いに行くかかりつけ医院でのできごとでした。


診察が終わった初老の男性が、
受診前に脱いで、診察室手前の長椅子に重ねてあった洋服を着始めた。
 
その人の次で待って隣にいた私には、嫌でも仕草が目に入った。
 
初老といっても、背中は伸びているし、足腰もしっかりしているように見受けられた。
その方が受診前に何故洋服を脱いでいたのかが徐々にわかり始めることとなった。
 
下着の上に、前ボタンのシャツ、それから毛糸のベスト、それからジャケットの上着、と続いた。
「何枚着るのだろう?」
と、興味が湧いて(?)きているところに、最後に厚手のコートを羽織った。
 
「うわっ!こんなに着て窮屈じゃないのかしら?」
と、暑いのでは?と思う前に動きにくくない?と勝手な心配をした。
 
当日は特に寒かったわけではないし、比較の対象にならないかもしれないが、
私はタートルネックのTシャツに上着は薄手のダウンで十分といういで立ちだった。
 
診察室ではTシャツ一枚で、衣服の着脱の用意などする手間もいらない。
 
その方は医師の前に行ってからこの枚数を脱ぎ始めたら、相手を待たせてしまうと
考えて、多分手前の待合スペースで”受診準備”をしたのだろう。
そんな気持ちは理解できるし、多分そうなのだろうと思った。
 
でも、申し訳ないが、
「これってコント?」
と思えてしまうような出来事で途中からは、
「おいおい、何枚着るんだよ!まだ着るのかい?」
と突っ込みたくなるような情景だったのだ。
 
何故なら、その方はそれが当然というやり方で、丁寧に一枚一枚重ねていったのです。
 
多分、多分・・ですが、優しい優しいおばあちゃんかお母さんに大事に大事に育てられて
沢山の衣類を重ねて重ねて着るような習慣になったのではないかと想像した。
 
現代社会は外が寒くても、屋内はエアコンが効いていてそんなに厚着は要らないようになっているので、却って厚着して汗をかいて風を引くなんてこともある。
だから、内外の温度に適応しやすい服装をする傾向にあるのではないか。
 
何だか、その方の子供時代が想像できるような光景を目の前にして、暖かいような、
可笑しい(失礼!)ような気分になってしまったのです。
 
ご本人様失礼しました。