みかんは食べる分だけ。
自宅の「ピンポン」が鳴った。
応答すると、移動のみかん屋さんだった。
近郊の産地を名乗っていたけれど、
「ああ、あの辺ね。」
くらいの軽い気持ちで家の前に停めてあった軽トラを見に行ってみた。
50代くらいのおじさんが、両腕に抱えるくらいの大きさのビニール袋に入ったみかんを
勧めながら、同時に皮を剥いた一個を、
「食べてみて。こっちはポンカン。甘いでしょ?」
と、言って試食させてくれた。
うん、甘くて、ほろの皮が薄くて優しいみかんだった。
一袋の中身は大きいの揃いや、小さいの揃いやミックスしたのといろいろあった。
私は中くらいの大きさのを選んで買うことにした。
スーパーで買うと10個に満たない袋詰めが500円くらいする。
だから、いつもは農協に買い物がある時に、少しでも安いみかんを探して買う。
立派な、見映えのするみかんでなくても、自宅で気軽に食べる用のものを選ぶ。
そんな時に、家の前に来たみかん屋さんだ。
みかん専門に作っている農家さんなのだろう。
買ってみてもいいかな、と頂くことにした。
1500円だという。
一瞬、そんなにいらないかな、とも思ったけれど、どんどん食べればいいじゃないかと。
流石、農家さんエシャレットの漬物のパックを余分に付けてくれて、嬉しかった。
(実際、その漬物はシャキシャキがあってニンジンとか他の野菜も混ざっていて美味しかった)
でも、やっぱり多すぎた感は否めない。
成るべく重ねないよう、ざるに入れて通風よく保管したがやっぱり腐るものが出だす。
農家さんだって保管には苦労する筈だから、早く売ってしまいたのだろうなと想像しつつ、
やっぱり我が家には多すぎたと思った。
腐るものは仕方ないので、腐りかけた部分を取り除いて小鳥たちに食べてもらおうと、
木の枝に刺しておいた。
「夕方、明朝の分を刺しておくと午前中にはこんな様子。」
人がいると寄って来ないが、離れて静かに見ているとちゃんと小鳥たちが来て啄んでくれて
いる。
猫が散歩している時は、先ず猫が鳥たちに気付いて静止して見ている。
みかんは、腐らせない程度の、食べる量だけ買っておくのが正解なんだなと反省したが、
こんな風に、小鳥さん達と分け合うのも悪くないなと感じた次第です。