「ポツンと一軒家」考。
2019/03/10 朝日放送放映 和歌山編より
地元住民に教わったポツンと一軒家へと辿り着いた捜索隊。そこは隣の集落と山の急斜面で隔てられた
谷間に大きく切り開かれた土地。
広い田畑に囲まれ確かに一軒ポツンと家が立っていた。家の主は土山さんという44歳の男性。
瓦屋根の家に奥さんと子供と3人で暮らし、広い敷地の端で手作りの紀州備長炭を作っているという。
炭焼の工房や家以外、周囲の土地も全て土山さんの所有。春になると毎年家族で耕作も行っているそう。
田んぼの除草に役立っているというヤギは、白ヤギの両親から黒ヤギが生まれたとして地元紙で話題にもなった。
夫婦は大阪に住んでいたご主人が和歌山に住んでいた奥様と20年前に出会って結婚。
田舎暮らしに憧れていた2人は9年前にこのポツンと一軒家を買い、子供2人を連れて一家4人で移り住んだという。
9年前、和歌山県の山奥にポツンと立つ広い田畑付きの古民家を買い、親子4人で移り住んだ土山さん一家。
家の中には以前の住人から譲り受けたという薪ストーブが設置されていた。奥様の趣味は草木染め。
茜の根で染め上げた生地で娘の洋服もたくさん作ったという。その長女は現在は祖母の家に同居して高校へ通学。
便利な町の生活を経験してもポツンと一軒家での生活が恋しいという。一方、長男は家から片道40分かけて小学校
へ通っているそうだ。
大自然の中で子ども達を伸び伸び育てたいと親子で山奥へ移住して約10年。
試行錯誤を繰り返しながらも自給自足の生活を心がけ、家族が心をひとつにして
この土地での生活を精一杯楽しんでいる。
上記引用
この回の家族は絵本のような生活で、憧れる。
というコメントがあったくらい素敵な生活だった。
だいたいの回は先祖が林業などに携わってきたことによりそのままの生活を続けているような家族が
主流だったがこの回の家族は珍しく若い世代だった。
都会で会社員として暮らしていくのは合わないと、自分のやりたいことを追い求めた暮らしを実現していた。
この番組を観ていて思うのだが、どなたも日々を精いっぱい生きていて満足なのだ。
高齢になっても、独り暮らしになっても、
「寂しい」とか「暇だ」とか言う人がいないのだ。
近隣に人もいない場所なのに寂しくないのだと。
一日中、一年中、やることがいっぱいあって、今の生活を身体が動かなくなるまではするのだと言い切る。
何か、依存する気持ちなどなく、自分の人生を自分流に全うしたいという気概を待った方達ばかりなのだ。
そうなのだ、頼るのは自分だと常に意識している人達に会える番組なのだ。
だから、自分には無理かもと思っても、生活振りを拝見したあとが爽やかな感じで満たされる。
ぽつん生活の方達も皆さん番組が大好きでよく観てるそうだ。
そして、まさか自分の所に来るなんて思ってないので来られると本当に親切に受け入れてくれる。
今時の「個人情報」がなんたら言う時代におおらかに山奥の生活を見せてくれているのだ。
一日中、不便さも手伝って、動かないと生活が回らない日々も過ごしてきた人々は、便利さに
気づかないで、日々を楽しめないでいる都市生活を送る私達に、改めて生活とは何かということを
教えてくれている様に思う。
素敵な番組です。