6月30日のコラムを引用する。
「最も偉大な将軍は、過失の最も少ない者だ」とは、フランスの皇帝ナポレオンの言葉(語録)。「将軍の適性は判断と慎重なり」(歴史)と書いたのは古代ローマの歴史家タキトゥス。ポーランド戦で見せた西野朗監督の采配に、つい名言集を手に取った
▼肩入れして表現するなら、目先の勝利にこだわらない戦略家の姿と言ったらいいか。後半、課題のセットプレーから失点し、状況が一変したことで決勝T(トーナメント)進出へ終盤、大胆な策に出る
▼他会場のセネガルの戦いぶりを視野に入れながら0―1で負けたまま試合を終わらせるという判断である。勝ち点や得失点などで並んだ場合、警告数などによる「フェアプレーポイント」の差で、日本がセネガルを上回っていた
▼最後の数分間、パス回しで時間稼ぎに徹した日本のプレーに、会場では「恥知らず」の叫び声とともに地鳴りのようなブーイングの嵐が吹き荒れた。試合終了の笛が鳴るまで勝利を諦めないスポーツの原点とは懸け離れた消極的なプレーとの批判は承知の上だったろう
▼西野監督は決勝Tに進むため最終的に他力を選んだ。「究極の選択かもしれない」とも話している。後悔の思いも口にしており、葛藤の末、ギリギリの決断だったに違いない。決勝T進出の目標達成は、指揮官の判断に間違いはなかったということだろう
▼次はサッカーの魅力が存分に味わえる16強の戦い。西野ジャパンは世界屈指の攻撃陣を誇るベルギーと対戦する。ランクは圧倒的に上位の強敵だが、臆することなく挑んでもらいたい。
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世間の批評の的になったポーランド戦だった。
にわかW杯ファンの私や、サッカーに詳しくない人も、いろんな評論をしたポーランド戦だ。
でも、あの10分間に、ポーランド側も出てこなかった。
私は以下の西野監督の言葉が全てだと思っている。
選手達をおもんばかる監督だからこそ選手も信頼できるのだと思う。
あそこで走れなかった分、ベルギー戦で思いっきり走って戦って下さい、日本代表!
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「サッカー日本代表」西野監督ベルギー戦で「お返ししたい」
決勝トーナメント進出がかかった28日のポーランド戦では、終盤、スコア0-1と負けている状況で、後方でボールを回す戦術を指示。翌日のミーティングで、西野監督は選手たちに「(攻めた)1、2戦目と違う要求をしてしまった。素直に喜べない状況を作ってしまい申し訳ない」などと謝罪したという。
「こういう形が本意と思っている選手もいたし、そうでない選手もいたと思う。どちらかにふれた戦術を与えないといけなかった」と振り返った西野監督。「選手に本意ではない中でやらせて、戦わせて……。ブーイングのあるピッチに立たせたということは、そういう戦術を与えた自分がいるわけなので」と、改めて選手たちの気持ちをおもんぱかった。
ボールを後方で回す戦術のことは選手たちも理解している。原口(ハノーバー)は「僕たちがどれだけ準備をしてどれだけ戦ってきたか。恥ずべきことではないし、突破に誇りを感じている」。監督の思いを受け、チームの団結力は一層高まっている。
西野監督は「(ポーランド戦はボール回しで)走行距離は10分間無かったので、(ベルギー戦では)その分走る。いろんな方にその分をお返ししたい」と語った。持てる力を出し切って、真っ向勝負を披露する。【大島祥平】
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気持ちを前向きに「美しいサポーターたち」を紹介