それって当たり前?

日々感じたことを徒然に。

寺尾次郎さん。字幕翻訳家。

コラムを読んで初めて知りました。
少し時間は経ってしまいましたが、載せたいとの思いで。6月8日版です。

 

以下引用です。
 「いい映画とは国民や民族の本当の顔が見える映画だと思う」。フランス生まれのジャンリュック・ゴダール監督の2002年来日時の言葉だ。1950~60年代の映画刷新運動ヌーベルバーグ(新しい波)の旗手。個々の物語は歴史の瞬間を形づくり、同時に歴史は個人の小さな物語の瞬間でもある、という
 ▼ゴダール作品などの字幕翻訳で活躍した寺尾次郎さんが、おととい亡くなった。62歳。「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」のデジタル処理版がおととし公開された際は、両作で手掛けた新訳も話題だった
 ▼音楽好きには山下達郎さんらの音楽バンド、シュガー・ベイブのベース担当でも知られた。75年唯一のアルバム発表後に加入したが、19年後のCD化では在籍時の解散公演の音源が追加され、こちらも話題だった
 ▼映画会社勤務を経て、字幕翻訳家の道に進んだ。ベルギー人監督ダルデンヌ兄弟が2005年カンヌ映画祭で2度目の最高賞に輝いた「ある子ども」も“名訳”の一つ。劇伴もなく描かれた、若い男の無知と救いがたい優しさに言霊[ことだま]を与えた
 ▼雑誌インタビューで、翻訳者はイタコ(口寄せをする巫女[みこ])のようと語った。1秒間4文字制約がいわれる字幕翻訳。ゴダール作品は、分かりやすい言葉に置き換えると、監督を裏切ることになる、とも
 ▼「分からなさを持ち帰り、時間をかけて咀嚼[そしゃく]してくれたら」。思考と感性に響く余韻は、リズムをうねらせた音楽活動に似る。梅雨入りとともに届いた訃報に、〈雨は手のひらにいっぱいさ/そうさ僕の心の中までも〉。
以上引用です。

 

楽家であって字幕翻訳家。
フランス映画の翻訳家ということで、もう少し知りたかったので調べてみた。
http://www.tapthepop.net/extra/79081

フランス語は帰国子女でもなんでもなく、自己流で学んだそうだ。
英語と違って、踏み込みにくいフランス語だけれど、その音が好きな人にはたまらない響きだと思う。


私もはまった時期があって、NHKフランス語講座を録画したりして勉強した。
そうすると、背景の文化が見えてくる。文化には歴史がある。
そして生のフランスが理解できるようになる。多分一部でしょうが。

 

というのは、寺尾さんがポルノ映画の字幕を手掛けたことがあって、濡れ場でも、話すことをやめない彼等に笑ってしまった、という記述があった。
本当に、話すことが大好きな国民性だとわかる。

そんな経緯があって、映画が好きな内のフランス映画にも興味が湧いてよく観ていたので、今更ですが、寺尾次郎さんの字幕翻訳の映画を探して、一緒に”フフッ”と笑ってみたいと思っています。

ご冥福をお祈りいたします。

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