それって当たり前?

日々感じたことを徒然に。

「町中華の名店」だった中華料理屋さん。

2019/10/05「寂しい・・・。」を投稿しました。

https://ameblo.jp/kickbell/entry-12532053515.html

 

ご夫婦で営業されていた小さなレストランが一軒、二軒となくなっていく。

始めは、「臨時休業」からだ。

 

キッチンを担っているご主人の体調が良くないということで「臨時休業」から始まる。

それでも、営業時間や営業日を減らしながらお店を開いてくれていた。

それが、「休業日」が続くようになる。

 

「お店大丈夫かな?」

と、心配しているところで、スーパーなどで奥様にお会いして近況を窺うと、

「もう少し、来月には再開できるかな?」

等と聞き再開を待っても「臨時休業」は続く。

 

他のお店でも、

「ねえ、主人(キッチン担当)がもう、疲れててね、歳なんですよ~。」

とか返ってくる。

そして、風の便りで閉店したようだと聞く。

 

そして、2019/10/05「寂しい・・・。」に投稿した中華料理のお店は完全に閉店となった。

ご夫婦で経営されていた奥様が亡くなられたと分かった。

 

マンションの一画のお店だったので、掃除をしていた管理人のような人にはっきりと

お聞きしたのだ。

病気されても、快復されたらと一縷の望みを持っていたが、それは叶わないものとなった。

 

ご主人(キッチン担当)は早朝、私が猫の散歩する時間にはお店に通って来られ、奥様は午前10時頃お店に向かう姿をよく見かけていた。

中華料理のお店によく見られる、油っぽさや汚れが全くなく什器から店内隅々までピカピカに綺麗にされていたので、料理も美味しかったけれど、その清潔感が大好きだった。

 

奥様はお客さんが食べられなくなる程よく話しかけてくる人で、ニュース性のある話題が好きなようだった。

その人が突然痩せられて、お店からいなくなり、お店が締まり、ご主人の通う姿も見られなくなった。

定休日以外は昼間からお店の看板ネオンが点いていて住宅街のお店だったので、その明るさが辺りを元気に照らしていてくれた。

だから、その辺りに目が行くと、いつも静まり返ったままで寂しい一角になってしまっている。

 

ご主人はどうされているだろう?

料理人としての腕を持っているのに、もうお仕事を辞めてしまったのだろうか?

そんなことも心配になる。

 

そんなこの3軒に共通していることが、後継者がいなかったことだ。

子供さんを持たれなかったご夫婦だった。

 

誰の人生にだって、必ず終わる日は来る。

特に店舗経営者さんは、その時をどうするかと考えておられただろうと思う。

 

しかし、突然の病まで想像できたかどうかは分からない。

”手に職を持った”料理人の方の引き際はパートナーの不在はとてつもなく大きな理由に

なってしまうのだとつくづく思い知らされる。

 

贔屓していたお客さんは多い。

皆さん、残念に思っていることだろうし、あの味をもう味わえないと思うと大きな損失とさえ思うことだろう。

 

中華料理屋さんの「回鍋肉」はどこのお店のより美味しかった。

もう一度食べたい・・・・、美しい回鍋肉だった。

 

ご主人がキッチンから、奥様はホールで、

「ありがとうございました!お気をつけて!」

と、送り出してくれたあの光景を幻のように感じる。

 

閉店が惜しまれる「町中華の名店」でした。

奥様を思い出して、ご冥福をお祈りいたします。