息子達が立ち寄った日。
日を前後して我が家の近郊に住む二人が立ち寄った。
突然だったので、猫が驚いて隠れてしまった。
車の音に反応したのだ。
一人は事前にメールが来ていたが気づかなかった。
家の前まで来て電話が入った。
彼はバイクを愛用していたが、車を購入したということで、お披露目?に来た。
自分流にカスタマイズしたお気に入りの色になったと嬉しそうに紹介した。
綺麗なブルーだったので私も思わず、
「わ~、いい色だね~!」
と、率直な感想を言った。
そして、ちょっと小腹に入れる程度の物を食べながら、休日をドライブレコーダーの設置に費やしたから、まだ、買い物をすると言って、満足気に帰って行った。
そして、次の日彼の兄がやってきた。
仕事の帰りに寄ったようだ。
昨日の弟の車の件を伝え、写真を見せると、兄弟で相談していたらしく、その色のことなどは知っていた。
子供の頃より、最近はお互いのネットワークを活用して、いろんな面で協力し合っているようで、やっぱり兄弟がいるっていいなあと微笑ましく思っている。
彼等自身も大人になってからの方が絆を感じているようで、親、兄弟、従兄弟、伯父さん、伯母さんなど、身内に対してその存在に感謝しているように見える。
私も、時々来て、最近の話をしていく彼等といると、やっぱり若いパワーを貰えて、一気に話が盛り上がる。
そして、帰り際に、
「ボーナスがでたから、少しだけど置いてくワ」
と、お小遣い?を差し出した。
「え?ありがとう!」
と、不意を突かれて、驚いた。
父親の自転車が傷んでいるからと、新しい物を兄弟3人でプレゼントしてくれたり、車の自損事故を起こした父親を見て、
「これが最後だから、これを壊したら、もう免許証返納だぞ。」
と言いつつ、彼等のネットワークで車を探して、気に入るか見てくるようにと言われ、
兄弟で資金を出し合って、買ってくれたりもした。
父親は感謝の表現が下手なのだが、私は多いに喜びを表現した。
この時とばかりに!
手に入れられる範囲での提供であるが、私達にとっては最高の贈り物であることは間違いない。
男子の思春期には、振り回されることも多かったが、その思春期をきちんと爆発させた子供は、その時を正面から向き合った両親をみていた、感じていた筈で、社会人になった時
の優しさと働き振りには、子育ての神髄?を感じさせてもらえる。
間違いや、戸惑いややるせなさ、悲しみ、怒り等々、いろんなことを感じて大人になるのを待った日々があった。
でも、それらが私を、私達を鍛錬してくれた。
スクスクと大らかに素直に育った子もいる兄弟だったが、お互いの気持ちは理解し合っていたのだろう。
男子ってそんなものだったのだろう。
お蔭で、私はどちらかと言うと、さっぱりタイプの男っぽい性格と言われるようになった。
そして、お互いの知り合いには、
「弟、仕事頑張ってる?」
なんて会社の人に聞いたりするそうで、その様子も私に話してくれる。
これからのことは解らないが、親の年齢に相応の穏やかな日々が続いていければいいなと思っている。
「ある時期がきたら、子供は親を労わるようにならなければならない。
それが大人になるということだ。」と、曽野綾子さんが書いていた。
人を労われるようになる、私はやってきただろうか。
きっと、私達がやってきたことは子供達が見ていた筈だ。
このところ、そんなささやかな事が時々あって、静かに喜こびを味わせてもらった。