それって当たり前?

日々感じたことを徒然に。

草刈正雄さん。

NHKの朝ドラ「なつぞら」の草刈正雄さんの演じる”じいちゃん”の言葉は深い。

 

 

2019/07/08(月)の台詞。

(内容は長いので割愛します。)

主人公のなつ(広瀬すず)と兄の咲太郎が、東京へ帰るシーンで、じいちゃん役の草刈正雄さんが短い言葉で、

咲太郎に声をかける。
 
「咲太郎、今までよくやった。よく頑張って生きてきたな。」
咲太郎、ぐっとうつむく。
「ありがとう」
でも、
「はい」
でもなく、声にならないという表情。
 
人生の苦楽を知り尽くした男の先輩であるじいちゃんに突然、まだ若い男である咲太郎が
「よく頑張って、”生きてきた”」
と言われたらどうだろう?
 
今までの事、ぜ~~んぶ認めて貰えた、という大賛辞になりますよね。
戦争で両親を亡くして、子供たちだけで頑張った、生き延びた兄、妹二人。
 
どのようにするのが最善の方法だったかなんて誰にも分らないが、そこに居るという今を大先輩の”男”に認められたら、突然泣きたくなるだろう。
(男はみんな唇を噛みしめて、必死で頑張っているのだろうから。多分。)
 
不意打ちをくらった”喜び”だろう。
岡田将生の演技もよかったが、こういう場面がこのドラマの中によくあるのだ。
 
何気ないけど、相手が子供でも、思春期の少女でも、成人した大人でも、それぞれに
掛ける柴田泰樹(草刈正雄)という男の言葉に惹きつけられるのだ。
 
朝のたった15分間のドラマなのに、時々うるっとなってしまう。
 
多分、どの言葉も、自分の辛さや寂しさを自分の中に押し込んで、相手に対して
「お前はそのままでいいんだ。」
と大きな懐で、優しい目で包んでくれるからだろう。
 
不安や寂しさや迷いを持つ若い人は、その言葉に大きな安心と自信を持つ。
子供だからとか、女だからとか、若造だからとかの差別がなく、開拓者として生きてきたその魂から出る言葉を掛けてくれる。
 
草刈正雄さんの声と目が真っすぐに語り掛ける。
とてもいい歳の取り方をされたなと思うのです。
 
一瞬だけど、そんな台詞に出会えるので楽しみしている「なつぞら」なんです。