それって当たり前?

日々感じたことを徒然に。

ファーストキスはどこでする?

「ファーストキスはどこでする?」
「ファーストキスが大西洋を渡る豪華客船の突端だったら怖さが先立ってキスのことは覚えていない」
「ファーストキスは校舎裏でいいの、階段の踊り場でいいの、過剰なロマンはいらないの」

これは、日テレ水曜ドラマの「anon」の中の台詞。

2月7日放送分の青羽るい子(小林聡美)の台詞で、
ハリカ(広瀬すず)が、
「鍋初めて」
という状況の中で持本(阿部サダヲ)が「みかん鍋」にしようとした瞬間を阻止した台詞。

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田中裕子さんなどそうそうたる俳優さん達が、なにげな~いダイニングキッチンで、テーブルを囲んで、
鍋の支度をしていて、普通に進んでいくシーン。
持本がミカンを入れようとする瞬間に、

るい子と亜の音:「ああ~、何~!?」
持本;「ミカン鍋にするの」
るい子と亜の音:「ええ~?!美味しくないでしょ~!」

に続く台詞。
「わあ~、この台詞最高~!」と、録画のシーンを何度も繰り返し見た。

初めての体験となるものに余分な記憶を加えてしまうことの勿体なさ、基本を知らずして、
オプション付きのものを「鍋全体の味」と勘違いして覚えてしまうことの怖さを、瞬間で止めようと
していた台詞。

るい子の「生き方、性格」がすっと出てきた、大事なシーンだったと、感心した。

このドラマが始まった当初は、何だか、ワサワサしててまとまりのない、本筋は何だかわからない、
何で田中裕子さんなどが出てるのかな、とこれからは観ないかも、と思っていた。
しかし、あまりにも何気なくいろんなシーンが続くので、
「この何気なさ、普通じゃない。」と、
脚本家を調べてみた。

坂元裕二
あの「カルテット」や「Mother」、古くは「東京ラブストーリ」も手掛けていた。
そうそう、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」も。

「う~ん、そうか。カルテットの時も脚本家誰?」
と調べた記憶があり、どんどん惹きつけられたっけ。

ニセモノが本物になっていく、というドラマらしい、そう思うと最初から出てきた「偽札」
も伏線なのだろう。
これからが、台詞も、楽しみな作品のようだ。